
ヤマサとうふ斉藤商店おやべ 自立活動NPO法人ゆうきの会おやべ
代表 斉藤 寛明氏
斉藤 勇旗氏
現在、小矢部で豆腐屋をしております。今日は長男勇旗との関わりについてお話しします。
自閉症という脳に障害があり、6歳まで言葉がありませんでした。親子のつながりもなかったです。又、多動ということで、しっかり手を持っていないとどこにでも行ってしまい、いなくなってしまいます。当時所沢に住んでいましたが、何回もおまわりさんのお世話になりました。
小さい頃、言葉がなかったので、日常会話だけでも話せればいいと思い、代々木スピーチクリニックに通うことにしました。駅に着いた時に、次男寛善に気をとられ、手を離したスキに行方不明になりました。警察に届けて妻は家に帰って連絡を待っていました。会社へ妻から電話が入り、赤信号で飛び出して、車にはねられ慶応病院にいるとのことで、早速病院へ引取りに行きました。
この事故が、今後の私を大きく変える事になりました。今まであまり勇旗と関わり合ってなかったなと思い、いろいろな所に相談に行きました。所沢の国立リハビリテーションセンターの先生に診てもらった所、言語等の知的開発は無理じゃないかと言われました。しかし、諦められないのが親です。将来後悔しない為に自分が納得いくように、教育をしようと思いました。両家の実家に行き、その旨を話し同意を得ました。会社を辞めて、逃げ道を絶ち、勇旗と一緒に生活していこう、世の中の役に立つ子にしようと決心しました。
12月ショッピングセンターに買い物に行った時、勇旗に大きな変化があらわれました。手を離してしまい見失ったのですが、親を探しに戻って来ました。今まで一度もなかった事です。親がこの子と向き合ってこれから一緒にやっていこうという思いが通じたのだと思いました。やっと親子関係ができた思いがしました。
勇旗が世の中に出て、必要なのは何なのかと考え、教育自立訓練の生活に入りました。
言葉や数字を覚えさせたり、暗記させたり、ずっとしているとだんだん理解する様になってきます。諦めずに毎日コツコツとやっていると、いつか出来る様になる事を勇旗に教えられました。
詩を暗唱すると脳に刺激をあたえて良いという事を教わりました。今こそ出発点という詩を暗唱します。
今こそ出発点 尾関 宗園
人生とは毎日が訓練である
わたくし自身の訓練の場である
失敗もできる訓練の場である
生きているを喜ぶ訓練の場である
今この幸せを喜ぶことなく
いつどこで幸せになれるか
この喜びをもとに全力で進めよう
わたくし自身の将来は
今この瞬間ここにある
今ここで頑張らずにいつ頑張る
仕事が終わったら毎日7人の子と暗唱しています。